板前さんが決まったので、我々は決まっていないことを一気に進めることにした・・・
もう季節は梅雨になっていた・・・・
まず食器を探さなくてはならない。飲食店では食器選びがすべてを左右しかねない問題でもある。
早速、先日家具のヤマカワさんにお聞きしていた小原さんに会いに行くことにした。
向かう道中は、今年初となる台風が近畿に直撃する日だったのだが、それより少しでも時間の惜しい我々は、訪問することにした。大雨が降り続いていた・・・・
我々が滋賀の信楽焼のお店「ギャラリー KOHARA」に着くと、小原さんが快く迎えてくれた。小原さんは、今でこそ、ニューヨークなどで日本のデザイナーが活躍しているが、彼は、その先駆けとして世界的に認知、紹介されている第一線の人物であった。
彼のお店には、その一つ一つが信楽焼きとは思えない斬新なデザインとエネルギッシュな作品が並べられている。オーナーさんも板前さんもここの食器が気に入ったようだった。
一通り僕は小原さんに店のイメージを伝え、相談にのってもらった!彼は集中して僕の話を聞いていた。インスピレーションを高めているようだった。
その後、職人さんとオーナーさんを交え、料理に使う食器を次々を選択していった。食器を選びながら、小原さんは料理と食器のバランスの話をした。それは器と料理の相関関係とも言うべきもので、食器が存在感のある場合、それに料理が負けてもいけないし、既成の概念を打ち破る料理を期待したいという事だった。
小原さんの器に対しての自信が、我々を安心させていた・・・
5時間くらいは居たであろうか、大体のイメージに合う食器を選び終え、岐路に向かうことにした。
その帰りに「家具のヤマカワ」さんに立ち寄り、山川さんにお店に使う座布団とパーティションなんかのサンプルを見せてもらった。
麻で作られたセンスのいい座布団と壁にかける布を選び始めた。
段々といろんな事が決まってくると同時に、オープンまでの残り時間のなさに皆あせりはじめていた・・・・
つづく
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